介護の資格

介護福祉士とは?仕事内容・なるには・試験・給料をわかりやすく解説

介護福祉士は、介護現場で働く資格の中で唯一の国家資格です。国家試験に合格し、登録することで名乗れます。

この記事では、介護福祉士の仕事内容、受験資格の4つのルート、試験の内容と合格率、給料の目安を、試験センターや厚生労働省の情報をもとに整理します。

※2026年9月時点の情報です。試験日程などは毎年変わります。

介護福祉士とは

介護福祉士は、専門的な知識と技術で、身体や心に障害のある人の介護を行い、本人や家族に介護の指導・助言をする国家資格です。

「名称独占」の資格

合格しただけでは名乗れず、登録を済ませないと「介護福祉士」の名称は使えません。一方、介護の仕事そのものは無資格でもできます。この点は未経験でできる介護業務の記事で解説しています。

参考:介護福祉士国家試験

他の介護資格との違い

資格 位置づけ 取得方法の目安
介護職員初任者研修 入門資格。訪問介護に必要 130時間の研修
実務者研修 介護福祉士の受験に必須 450時間の研修
介護福祉士 介護職で唯一の国家資格 国家試験に合格し、登録
ケアマネジャー ケアプランを作る専門職 実務5年以上かつ900日以上などの要件を満たして受験

初任者研修・実務者研修の時間数は厚労省の資料で確認できます。

介護福祉士の仕事内容

現場では、通常の介護職員と同じ業務をしながら、専門性を活かして次の役割も担います。

利用者への介護(身体介護・生活支援)

食事・排せつ・入浴・着替えの介助や、生活を支える援助を行います。利用者の状態に合わせ、根拠のある判断で対応するのが特徴です。

介護過程(利用者に合った介護の組み立て)

利用者の状態を把握し、目標を立て、実施して、評価する一連の流れです。介護福祉士は、チームの中でこの中心になることが多い資格です。

後輩の指導と、家族への助言

新人職員への指導や、家族への介護方法の助言も業務の一部です。

たん吸引・経管栄養(条件付き)

資格を取っただけではできません。実施できるのは、認定特定行為業務従事者か、一定の時期以降の国家試験に合格して実地研修を修了した介護福祉士に限られ、実施できる行為も実地研修を修了したものだけです。

主な働く場所

特別養護老人ホーム、介護老人保健施設、有料老人ホーム、グループホーム、デイサービス、訪問介護事業所、障害福祉施設など。

介護福祉士になるには(受験資格4ルート)

受験資格を得るルートは、実務経験、養成施設、福祉系高校、EPA(経済連携協定)の4つです。現在の受験者の大半は実務経験ルートです。

ルート 主な条件 向いている人
実務経験ルート 介護等の業務3年以上+実務者研修の修了 働きながら目指す人
養成施設ルート 指定の養成施設(2年以上/1年以上)を卒業 学校で学びたい人
福祉系高校ルート 平成21年度以降入学者は必要科目を履修して卒業 福祉系高校の生徒
EPAルート EPA候補者として3年以上従事 外国籍の候補者

養成施設ルートは、令和9年度以降の卒業者から、国家試験に合格しなければ介護福祉士になれなくなります。

実務経験ルートの条件

従業期間が3年以上(1,095日以上)で、実際に従事した日数が540日以上必要です。さらに、実務者研修の修了が必須です。

540日を3年で割ると、年に180日ほどです。週にすると3〜4日の勤務が必要な計算になり、勤務日数が少ない働き方では、3年経っても足りないことがあります。

試験の翌年3月31日までに要件を満たす見込みなら、受験の申込ができます。受験には、事業所に作成してもらう実務経験証明書が必要です。

未経験から介護福祉士までの流れ

  1. 介護職員として入職する(施設なら無資格でも可)
  2. 初任者研修を取る(訪問介護を目指すなら早めに)
  3. 実務経験を積みながら、実務者研修を修了する
  4. 要件を満たす見込みが立った年に、国家試験を申し込む
  5. 合格後、登録を申請する

実務者研修は、保有資格によって受講科目の一部が免除される場合があります。詳細は受講するスクールで確認してください。

介護福祉士国家試験の概要

第39回(令和8年度)の試験概要

項目 内容
試験日 令和9年1月31日(日)
受験申込 令和8年7月22日〜9月2日(受付終了)
受験手数料 20,510円
出題 125問、13科目、五肢択一を基本とした形式
試験時間 午前10:00〜11:45、午後13:40〜15:35
合格発表 令和9年3月23日

出題は12科目と総合問題で計13科目、125問です。次回以降の日程は、試験センターの案内で確認してください。

以前は実技試験もありましたが、現在は筆記試験のみです。

科目は3つのパートに分かれる

パート 主な科目 配点
A 人間の尊厳と自立、介護の基本、社会の理解、人間関係とコミュニケーション、コミュニケーション技術、生活支援技術 60点
B こころとからだのしくみ、発達と老化の理解、認知症の理解、障害の理解、医療的ケア 45点
C 介護過程、総合問題 20点

パート合格制度

合格基準では、全体の基準に届かなくても、受験したすべてのパートが基準を満たせば合格とする、パートごとの判定が定められています。この制度は第39回試験から適用され、パート合格の有効期限は、合格した試験の翌々年までです。

適用条件の詳細は、必ず試験センターの案内で確認してください。

合格基準・合格率・難易度

合格基準

総得点の60%程度を基準に、問題の難易度で補正した点数以上であること、そして11の試験科目群すべてで得点があることが条件です。

合格率の推移

第38回の受験者は78,469人、合格者は54,987人で、合格率は70.1%でした。過去5年で最も低い合格率です。合格点は125点満点中64点でした。

合格率は年により上下しますが、しっかり対策すれば十分に合格を狙える試験です。

対策の考え方

  • 苦手科目でも、科目群のゼロ点を避ける(合格条件のため)
  • 過去問を繰り返し解き、出題形式に慣れる
  • 事例形式の総合問題は、介護過程の知識と合わせて対策する

合格後は「登録」が必要

合格者には、合格証書とあわせて登録関係書類が送付されます。書類が届いたら、速やかに申請してください。登録が完了して初めて、介護福祉士を名乗れます。

介護福祉士の給料・メリット

給料の目安

令和6年度の厚労省調査では、介護福祉士の平均給与は月額350,050円でした。この金額は基本給に手当と一時金(月額換算)を加えた平均で、処遇改善加算を取得している事業所の常勤職員が対象です。

勤務先の施設種別、地域、夜勤の有無で差があります。資格手当の額も事業所ごとに異なるため、求人票で確認してください。

資格を取るメリット

  • 担当できる業務が広がり、リーダーや指導役を任されやすくなる
  • 転職市場で、一定の経験と知識の証明になる
  • ケアマネジャーの受験要件につながる(介護福祉士などの資格で、実務5年以上かつ従事日数900日以上が必要)

ケアマネジャーについては[ケアマネジャーの記事(内部リンク)]をご覧ください。

よくある質問

Q. 介護福祉士の試験は難しいですか?
A. 第38回の合格率は70.1%でした。過去5年では低い水準ですが、しっかり対策すれば合格を狙えます。

Q. 初任者研修だけで受験できますか?
A. 実務経験ルートでは、実務者研修の修了と3年以上の実務経験が必要です。初任者研修だけでは受験できません。

Q. 実務経験が3年に満たなくても申し込めますか?
A. 試験の翌年3月31日までに要件を満たす見込みであれば、申し込めます。

Q. パートやアルバイトでも受験資格の実務経験になりますか?
A. 従事日数540日以上が必要なので、勤務日数が少ないと届かない場合があります。日数の数え方は試験センターの従業期間計算表で確認してください。

Q. 介護福祉士を持っていなくても介護の仕事はできますか?
A. はい。名称独占の資格のため、無資格でも介護の仕事はできます。ただし、訪問介護には初任者研修などが必要です。

Q. ケアマネジャーとはどう違いますか?
A. 介護福祉士は現場で直接介護をする専門職で、ケアマネはケアプランの作成や調整を担う専門職です。

まとめ

介護福祉士は、介護職で唯一の国家資格で、実務経験ルートなら働きながら目指せます。初任者研修から始め、実務経験を積みつつ実務者研修を修了し、国家試験に挑むのが一般的な道筋です。

出典: 社会福祉振興・試験センター、厚生労働省

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