「高卒でも介護の仕事に就けるのだろうか」「大卒の人と比べて不利にならない?」
介護職への就職を考えて、こんな不安を持っている方は多いのではないでしょうか。結論から言うと、介護職は学歴不問で、高卒からでも十分にスタートできる仕事です。入職後に資格を取り、経験を積むことで、収入も役割も着実に上げていけます。
ただし、「どこでも同じ」ではありません。教育体制や資格取得の支援は職場によって大きく違い、最初の職場選びが、その後の成長や続けやすさを左右します。
この記事では、次のことが分かります。
- 高卒で介護職に就職できる理由と、メリット・デメリット
- 給料の目安と、資格を取ってキャリアアップする道筋
- 後悔しない職場の選び方と、就職までの具体的な手順
高校3年生・保護者の方は、新卒での就職を前提に読み進めてください。すでに社会人で、他の仕事から介護に転職したい高卒の方も、同じ内容が参考になります。応募手順は「既卒・転職の場合」の項目をご覧ください。
1.高卒でも介護職として就職できる?
できます。介護業界は慢性的に人手が求められており、多くの求人で学歴を問わず、人柄や意欲が重視されます。
学歴より「人柄・意欲」が見られる
介護の現場で求められるのは、利用者様の話を聞く姿勢、相手を思いやる気持ち、チームで協力する力です。これらは学歴で決まるものではありません。面接でも「なぜ介護を選んだのか」「どんな気持ちで働きたいか」が中心に聞かれます。
無資格・未経験からスタートできる
介護職は、無資格・未経験でも働き始められる職種です。入職後に研修を受けながら、仕事を覚えていく流れが一般的です。なお、医療・介護関係の資格を持たずに介護に従事する職員は、「認知症介護基礎研修」の受講が義務づけられています。多くの施設では入職後に受けられるよう整えているため、事前に心配する必要はありません。
高卒と大卒の違いが出る場面
差が出やすいのは、主に初任給や、一部の法人での採用区分(総合職・幹部候補など)です。一方、現場での仕事内容は、学歴ではなく資格と経験で変わります。高卒でも、介護福祉士などの資格を取れば、リーダーや管理職を目指せます。
2.高卒で介護職に就くメリット・デメリット
メリット
- 就職先が見つかりやすい:未経験歓迎の求人が多く、地域を問わず探せます。
- 働きながら資格を取れる:費用を補助してくれる職場も多く、学費の負担を抑えられます。
- 経験がそのまま収入に反映されやすい:資格手当や役職手当で、年齢に関係なく収入アップを狙えます。
- 若いうちから現場経験を積める:早く経験を積めるため、同年代より早くキャリアの選択肢が広がります。
デメリット
- 体力面の負担がある:移乗や入浴の介助など、身体を使う場面があります。
- 夜勤がある施設が多い:生活リズムが変わるため、慣れるまで大変に感じることもあります。
- 無資格のうちは給料が高くない:資格を取ってから収入が上がっていく傾向があります。
- 人間関係や職場環境に差がある:職場によって雰囲気や人員体制が大きく異なります。
デメリットの多くは「職場選び」と「資格取得」でやわらげられます。詳しくは後の項目で解説します。
3.高卒介護職の給料・年収の目安
介護職の給料は、学歴よりも資格の有無、勤務先の種類、夜勤の回数で変わります。
資格による違い
一般に、無資格・初任者研修修了・介護福祉士の順に、基本給や資格手当が上がります。【厚生労働省「介護従事者処遇状況等調査」の最新結果から、資格別の平均給与額を記載してください。出典と調査年を明記】
給料を左右するポイント
- 夜勤手当:1回あたりの手当が支給され、夜勤の回数で月収に差が出ます。
- 資格手当:介護福祉士などの資格を持つと、毎月の手当が加算される職場が多いです。
- 処遇改善の加算:国の制度として、介護職員の賃金改善に充てる「介護職員等処遇改善加算」があります。求人では、この加算をどう給与に反映しているかも確認しましょう。
給料の「月給」だけでなく、基本給・各種手当・賞与の内訳を見ることが大切です。
4.高卒から目指せる資格とキャリアアップ
介護の資格は、段階的にステップアップできます。
資格の流れ
- 介護職員初任者研修:介護の基本を学ぶ入門資格です。
- 実務者研修:より専門的な知識・技術を学び、介護福祉士の受験に必要となります。
- 介護福祉士:介護職唯一の国家資格です。現場のリーダーを目指すなら、まず目標にしたい資格です。
- ケアマネジャー(介護支援専門員):ケアプランを作成する専門職で、一定の実務経験が必要です。
詳しくは介護資格の種類と取る順番|初任者研修からケアマネまでもご覧ください。
介護福祉士になるまでのルート
高卒の方に多いのは、働きながら目指すルートです。
- 実務経験ルート:介護の実務経験3年以上(従事日数など所定の条件あり)と、実務者研修の修了で、国家試験の受験資格を得られます。
- 養成施設ルート:介護福祉士養成施設(専門学校・短大など)で所定の課程を修了します。
- 福祉系高校ルート:福祉系高校で所定の課程を修了します。在学中に進路を決めている方向けです。
最短ルートを選ぶ場合も、受験資格の細かな条件は変更されることがあります。
資格取得を支える制度
- 職場による受講費用の補助、研修のための休暇・シフト調整
- 国や自治体の給付金・貸付制度(条件によっては返済免除になる修学資金貸付など)
制度は自治体によって異なります。求人を見るときは、「資格取得支援あり」の中身(費用補助の範囲、受講中の勤務扱い)まで確認しましょう。
5.介護施設の種類と仕事内容
同じ介護職でも、働く場所によって仕事の内容や働き方が変わります。
| 施設の種類 | 特徴 | 夜勤 | 未経験者へのおすすめ度 |
|---|---|---|---|
| 特別養護老人ホーム | 常時介護が必要な方が入所。身体介護が中心 | あり | 教育体制が整った施設が多い |
| 介護老人保健施設 | 在宅復帰を目指すリハビリ中心の施設 | あり | 医療職と連携しながら学べる |
| 有料老人ホーム | 施設ごとにサービス内容が幅広い | 多くあり | 職場による差が大きい |
| グループホーム | 認知症の方が少人数で生活 | あり | 少人数で関わりが深い |
| デイサービス | 日中のみ利用者が通う | 基本なし | 生活リズムを保ちやすい |
| 訪問介護 | 利用者宅を訪問してサービス提供 | 事業所による | 基本は経験者向け。無資格では始められない |
夜勤を避けたいならデイサービス、しっかり技術を学びたいなら入所施設など、自分の希望に合わせて選ぶのがおすすめです。ただし、一般に訪問介護は初任者研修以上の資格が必要です。
6.後悔しない就職先の選び方
高卒で入職する場合、最初の職場で何を学べるかが大切です。求人票の「アットホーム」「未経験歓迎」といった言葉だけで判断せず、次のポイントを確認しましょう。
チェックしたい5つのポイント
- 新人教育の仕組み:先輩がついて教える体制(プリセプター制度など)や、研修計画があるか。
- 資格取得支援の中身:費用補助の範囲、勉強時間の確保、取得者の実績。
- 人員配置と残業:一人あたりの業務量や、月平均の残業時間。
- 離職率・勤続年数:若手が定着しているか。
- 給与の内訳:基本給、夜勤手当、各種手当、賞与が明確に示されているか。
見学・職場体験で見るべきこと
- 職員が利用者様に声をかけるときの表情や言葉づかい
- 職員同士の会話の雰囲気、挨拶があるか
- 施設内の清潔さ、利用者様の表情
- 新人が質問しやすそうな空気があるか
可能なら、必ず見学や職場体験をしてから応募しましょう。入職後のミスマッチを防ぐ、最も確実な方法です。
慎重に見たい求人の特徴
- 給与が「○○円~○○円」と幅広く、内訳が書かれていない
- 常に大量募集していて、仕事内容の説明が少ない
- 見学を断られる、面接で質問に具体的に答えてもらえない
7.高卒で介護職に就職する手順
新卒(高校3年生)の場合
- 学校に届く求人票や、進路指導の先生への相談で情報を集める
- ハローワークの高卒求人も確認する
- 気になる施設の見学・職場体験に参加する
- 応募書類を準備し、学校を通じて応募する(高卒の就職活動は、学校推薦の流れが決まっているため、必ず先生に相談してください)
高卒の就職活動は、応募・選考の開始時期が定められています。【最新の就職スケジュールを、文部科学省・厚生労働省の情報で確認して記載】
既卒・転職の場合
- 求人サイト、ハローワーク、福祉人材センターなどで求人を探す
- 介護職専門の転職支援サービスで、条件に合う職場を紹介してもらう
- 見学・面接を経て内定をもらう
※転職支援サービスのご紹介にあたっては、提携関係や広告の有無を明記してください。
志望動機の例文(未経験・高卒)
志望動機は、きっかけ・やりたいこと・これからの意欲の3つを入れると伝わりやすくなります。
祖母が介護を受けていたとき、職員の方が笑顔で声をかけてくださる姿に、祖母も家族も安心できました。私も、そんな安心を届けられる仕事がしたいと思い、介護職を志望しました。未経験ですが、貴施設の新人研修制度や資格取得支援に魅力を感じています。まずは基本を丁寧に身につけ、将来は介護福祉士の資格を取り、利用者様に頼られる存在になりたいです。
自分の体験や、見学で感じたことを加えると、あなたらしい志望動機になります。例文をそのまま使うのは避けましょう。
8.よくある質問(FAQ)
Q. 高卒でも介護福祉士になれますか?
なれます。実務経験3年以上と実務者研修の修了で、国家試験の受験資格を得られます。受験資格や試験内容は変更されることがあるため、最新情報の確認をおすすめします。
Q. 無資格・未経験でも本当に大丈夫ですか?
多くの施設で、無資格・未経験者を受け入れています。入職後の研修や、先輩のサポート体制が整っている職場を選べば安心です。
Q. 介護の仕事はきついと聞きますが、続けられますか?
体力面や夜勤の負担はありますが、職場の人員体制や教育体制で感じ方は大きく変わります。見学で職場の雰囲気を確かめ、夜勤の回数や休日の取り方も事前に確認しましょう。
Q. 親に反対されたらどうすればいいですか?
「きつい」「給料が低い」というイメージを心配されることが多いです。資格を取ればキャリアアップできることや、見学で知った職場の様子を、具体的に伝えてみてください。保護者の方も一緒に見学に行くと、安心につながります。
Q. 夜勤はいつから始まりますか?
施設によって異なります。入職後、数か月の研修を経てから始まる職場が多いです。面接で「夜勤の開始時期と、それまでの研修内容」を確認しておきましょう。
9.まとめ
- 介護職は学歴不問。高卒でも、無資格・未経験からスタートできます。
- 初任者研修、実務者研修、介護福祉士と段階的に資格を取ることで、収入と役割が広がります。
- 就職先は、教育体制・資格取得支援・人員配置を見て選びましょう。
- 応募前に、必ず見学や職場体験をしてみてください。
まずは気になる施設の見学を申し込むところから、一歩を踏み出してみましょう。

