「今の仕事に将来性を感じられない」「人の役に立つ仕事がしたい」——そんな思いから、20代のうちに介護業界への転職を考える方が増えています。
介護業界は慢性的な人材不足が続いており、未経験・資格なしからでもチャレンジしやすい数少ない業界のひとつです。
とはいえ、「体力的にきついのでは」「給料が低いのでは」といった不安から、一歩を踏み出せずにいる方も多いのではないでしょうか。
この記事では、20代から介護業界へ未経験転職するメリット・デメリット、必要な資格、仕事選びのポイント、転職を成功させるためのステップまで詳しく解説します。
1. 20代で介護業界へ転職する人が増えている理由
超高齢社会が進む日本において、介護サービスの需要は年々拡大しています。厚生労働省の推計でも、今後も介護職員の必要数は増加し続けるとされており、業界全体で「若手人材の確保」が大きな課題となっています。そのため、多くの介護事業者が20代・未経験者を積極的に採用し、研修制度や資格取得支援を充実させているのが現状です。
また、20代は体力的な余裕があり、新しい知識や技術を吸収しやすい年代でもあります。介護の仕事は経験を積むほどにキャリアの選択肢が広がる仕事でもあるため、「若いうちに現場経験を積んでおきたい」という考えで転職する方が多いのも特徴です。
さらに、コロナ禍以降「安定した仕事に就きたい」「人の役に立つ実感を得られる仕事がしたい」という価値観の変化も、介護業界への転職を後押ししています。
2. 20代・未経験から介護業界に転職するメリット
未経験・無資格から始められる求人が多い
介護業界は「まず現場で働きながら資格を取る」というキャリアパスが一般的です。多くの事業所では無資格・未経験者向けの求人を用意しており、入社後に資格取得をサポートしてくれるケースも少なくありません。
資格取得によってキャリアアップしやすい
介護業界は資格制度が明確に整備されており、実務経験と資格を積み重ねることで着実にキャリアアップできます。若いうちからキャリアを積み始めれば、30代・40代で主任やケアマネジャー、施設長といったポジションを目指すことも十分可能です。
全国どこでも働ける・需要がなくならない
介護は地域に密着したサービスであり、日本全国どこにでも需要があります。将来的な転勤や引っ越しがあっても仕事に困りにくい点は、長期的なキャリア形成において大きな強みです。
人の役に立っている実感を得やすい
利用者やその家族から直接感謝の言葉をもらえる機会が多く、「人のためになっている」という実感を得やすい仕事です。やりがいを重視して転職先を選びたい方には特におすすめできる業界です。
3. 転職前に知っておきたい注意点・デメリット
良い面ばかりではなく、転職前に押さえておくべき注意点もあります。
体力的な負担がある
移乗介助や入浴介助など、身体を使う業務が多いため、体力的な負担を感じる場面もあります。ただし近年は介護リフトやスライディングシートなど介助機器の導入が進み、以前に比べて身体的負担は軽減されつつあります。
給料水準に不安を感じる人もいる
「介護職は給料が低い」というイメージを持つ方もいますが、処遇改善加算などの制度によって、近年は着実に給与水準が改善されています。資格取得やキャリアアップによって収入を上げていくことも可能です。
夜勤がある職場もある
施設形態によっては夜勤が発生します。生活リズムへの影響を心配する方は、夜勤の有無を事前にしっかり確認しておくことが大切です。
夜勤の具体的な仕事内容については介護施設の夜勤はどんな仕事をするの?応募前に知りたい最低限の知識と注意点で詳しく解説していますので、ぜひ参考にしてください。
逆に「夜勤なしで働きたい」という方は、夜勤のない施設で働きたい!夜勤なしの求人の探し方は?もあわせてチェックしておくと安心です。
4. 未経験でも挑戦できる介護の仕事の種類
一口に「介護の仕事」といっても、働く場所やサービス形態によって業務内容や働き方は大きく異なります。20代未経験の方が検討しやすい代表的な仕事を紹介します。
デイサービス(通所介護)
利用者が日帰りで施設に通い、食事や入浴、レクリエーションなどのサービスを受ける施設です。夜勤がなく、規則正しい生活リズムで働けることから、未経験者にも人気の職場形態です。具体的な業務内容や仕事の魅力については、デイサービス(通所介護)で働く介護職員の業務内容・魅力についてで詳しく紹介しています。
訪問介護(ホームヘルパー)
利用者の自宅を訪問し、身体介護や生活援助を行う仕事です。1対1でじっくりと利用者と向き合える点が特徴で、移動時間はあるものの、比較的自分のペースで業務を進めやすい働き方です。仕事内容や給料、必要な資格については訪問介護(ホームヘルパー)で働く介護職員の仕事内容|給料・資格も解説で詳しく解説しています。
特別養護老人ホーム(介護老人福祉施設)
要介護度の高い高齢者が生活する入所施設で、24時間体制で介護を提供するため夜勤を含むシフト制勤務が基本です。生活全般を支える幅広い介護スキルが身につきやすく、経験を積みたい方には向いている職場といえます。仕事内容や給料、夜勤の実態については介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)で働く介護士の仕事内容|給料・夜勤も解説で詳しく解説しています。
介護老人保健施設(老健)
在宅復帰を目指すためのリハビリテーションに力を入れている施設で、こちらも24時間体制のためシフト制勤務・夜勤が発生します。医療的なケアに触れる機会も多く、幅広い知識を身につけたい方に向いています。仕事内容や給料、夜勤については介護老人保健施設で働く介護士の仕事内容|給料・夜勤も解説で詳しく解説しています。
このように、同じ「介護職」でも働き方は多様です。20代で未経験から転職する際は、自分の生活スタイルや将来のキャリアプランに合わせて職場形態を選ぶことが、長く働き続けるためのポイントになります。
5. 介護職に転職する際に取っておきたい資格
介護業界は資格によって「できる業務」や「給料」が変わってくる業界です。未経験から転職する場合、以下のようなステップで資格を取得していくのが一般的なキャリアパスです。
①介護職員初任者研修
介護の基礎知識・技術を学べる、介護資格の入門的な位置づけの資格です。転職と同時に、あるいは転職後に取得を目指す方が非常に多い資格です。取得方法やできるようになることについては「介護職員初任者研修」でできることと資格取得方法で詳しく解説しています。
②実務者研修
初任者研修よりも専門的な知識・技術を学べる資格で、喀痰吸引などの医療的ケアの一部も学習範囲に含まれます。後述する介護福祉士の受験資格としても必須の研修です。資格の取り方や現場でできることについては実務者研修とは?資格の取り方や介護現場でできることについてを参考にしてください。
③介護福祉士
介護分野で唯一の国家資格であり、キャリアの大きな目標となる資格です。取得することで手当がつく事業所も多く、収入アップやキャリアアップに直結します。仕事内容や試験、給料については介護福祉士とは?仕事内容・なるには・試験・給料をわかりやすく解説で詳しく解説しています。
20代のうちにこうした資格取得のステップを踏んでおくことで、30代以降のキャリアの選択肢が大きく広がります。多くの事業所では研修費用の補助や資格手当の制度もあるため、転職先を選ぶ際には資格支援制度の有無もチェックしておきましょう。
6. 20代の介護転職でよくある不安Q&A
Q. 体力に自信がないのですが、大丈夫でしょうか? A. 介助機器の導入が進んでいる施設も多く、正しい介助技術を身につければ身体への負担は軽減できます。まずは夜勤のないデイサービスなど、比較的負担の少ない職場から始めるのも一つの方法です。
Q. まったくの未経験でもついていけますか? A. 多くの事業所が未経験者向けの研修体制を整えています。先輩職員がOJTで丁寧に指導してくれる職場も多いため、過度に心配する必要はありません。
Q. 前職と全く違う職種ですが、経歴は不利になりませんか? A. 介護業界では、これまでの社会人経験(コミュニケーション能力、責任感、体力など)そのものがプラスに評価されることが多く、業種の違いはあまり不利になりません。
Q. 20代のうちに転職するメリットは本当にありますか? A. 年齢が若いほど新しい環境への適応力があり、資格取得やキャリア形成のための時間も十分にあります。長期的なキャリアを見据えるなら、早めに一歩を踏み出すことは大きなアドバンテージになります。
7. 転職を成功させるための5つのステップ
ステップ1:転職の目的を明確にする
「なぜ介護業界で働きたいのか」「将来どんなキャリアを描きたいのか」を明確にしておくことで、職場選びの軸がぶれにくくなります。
ステップ2:働き方・職場形態を比較検討する
夜勤の有無、施設形態(デイサービス・訪問介護・入所施設など)、勤務時間帯など、自分のライフスタイルに合った働き方を具体的にイメージしましょう。
ステップ3:必要な資格・研修制度を確認する
無資格でも応募できる求人は多いものの、資格取得支援制度が充実している事業所を選ぶと、入社後のキャリア形成がスムーズです。
ステップ4:職場見学・面接で現場の雰囲気を確認する
介護の仕事は職場の人間関係や雰囲気が働きやすさに直結します。可能であれば職場見学をさせてもらい、実際の様子を確認しておくと安心です。
ステップ5:転職エージェントや求人サイトを活用する
介護業界に特化した転職エージェントを利用すると、非公開求人の紹介や条件交渉、面接対策などのサポートを受けられます。未経験者は特に、業界に詳しいプロのアドバイスを受けながら転職活動を進めることをおすすめします。
8. まとめ
20代からの介護業界への転職は、未経験・無資格からでも十分に挑戦できるキャリアチェンジです。人材不足が続く業界だからこそ、若手人材への研修体制や資格取得支援が充実しており、着実にキャリアを積み上げていくことができます。
一方で、体力面や夜勤の有無など、事前に確認しておくべきポイントもあります。デイサービスや訪問介護など働き方の異なる職種を比較し、自分に合った資格取得のステップを踏みながら、無理なく長く続けられる職場を見つけることが転職成功のカギです。
将来性のある介護業界で、20代のうちから新たなキャリアの一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか。
